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令和2年度桜修館作文 問題大予想


桜修館受検生のみなさん、こんにちは。

桜修館セミナーです。

いよいよ2月3日が近づいてきました。

当塾の山田先生が、令和2年度桜修館作文の問題を大予想しましたことを受検生のみなさまに報告いたします。

今年の桜修館は、ずばり、「わびさび」と「もののあはれ」の共通する点・異なる点をまとめ、自分の意見を述べる問題が出題されると予想します。

【予想問題】

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「もののあはれ」出題予想の根拠

まず、国内で今年度最も大きなイベントといえば、改元でしょう。

平成が31年で終わり、新元号 ” 令和 “ がはじまりました。

” 令和 ” は 『 万葉集 』 に由来があります。

ただ、 『 万葉集 』 それ自体が出題されるようなストレートなことは考えにくいです。

そこで、 『 万葉集 』 とつながりのある人物を考えました。

日本で最も有名な 『 万葉集 』 の研究者は、江戸時代の国学者、本居宣長でしょう。

彼は ” 日本 ” がどのように作られてきたのか、広く深く研究しました。

彼は源氏物語研究の第一人者としても有名で、源氏物語から感じ取れる、日本古来の和の心を明らかにしました。
それが 「 もののあはれ 」 です。

東京オリンピックの根底にも日本固有のおもてなしの思想があるので、日本固有の考え方は時事にも沿っています。

「 わびさび 」 とは何か

さて、日本固有の考え方といえば、「もののあはれ」よりも有名な表現として「わびさび」があります。

「 わびさび 」 は、金閣と銀閣を比較するとわかりやすいです。

豪華なたたずまいの金閣にたいし、銀閣は質素で簡潔な見た目をしています。

金閣を含めた、足利義満の時代の北山文化は能・狂言・軍記物など豪華なものが多いですが、

銀閣を含めた、足利義政の東山文化は質素なものが多いです。

「わびさび」 は、銀閣と同時代の、龍安寺の日本庭園に注目すると特にわかりやすいです。

室町時代後期の日本庭園は、枯山水といって、庭園内の川に水を流さずに、石と岩を使って川を表現するくふうがなされました。

従来であれば、庭園内に水を引いて川や海を表現するのがふつうです。
( 国風文化の平等院鳳凰堂を想像してください。 )

しかし、枯山水では、敢えて水を流さずに川を表現することで、地味さの中にあるほのかな良さを伝えようとしました。

この、地味さの中のあるほのかな良さこそが、 「 わびさび 」 です。

「 もののあはれ 」 とは何か

話を 「 もののあはれ 」 に戻しましょう。

「 わびさび 」 の代名詞が枯山水庭園であるなら、  「 もののあはれ 」 の代名詞は花見です。

源氏物語の書かれた平安の昔に限らず、現代においても4月はみんなで花見をする人が多いのではないでしょうか。

これは世界的にみても珍しい風習のようで、花見にハマる外国人も多数いるようです。

テレビゲームやSNSなど楽しいことは他にもあるのに、どうして日本人は今でも花見をするのでしょう。

これは、桜の花は一年中咲いているわけではなく、4月のある特定の時期にしか咲かないからでしょう。

このことは、椿やツツジなどをありがたがって花見をしないことも傍証となります。

ぱっと散りゆくものこそ、美しいのです。

最初に気づいた本居宣長の洞察力はすさまじいものがありますね。

「 わびさび 」 「もののあはれ」の異なる点

「 わびさび 」 「 もののあはれ 」ともに、どちらも古来よりある、日本人の心を意味することがわかりました。

では、異なる点はどこでしょうか。

誤解をおそれずにまとめれば、

わびさび = 建築物・絵画など、常に一定であるものをみて感動した時の気持ち
もののあはれ = 桜の花びらなど、一定期間経過後になくなってしまうものをみて感動した時の気持ち

です。つまり、 「 もののあはれ 」 は、そのもの自体がなくなってしまって悲しい気持ちになることも含めての感動なのです。

桜が散って、葉桜になるころに、新年度がはじまったんだな、と哀愁をかみしめながらゴールデンウィーク目指して頑張る人がほとんどではないでしょうか。

桜は散ることも含めて美しいのです。

桜修館作文と日本の心

余談ですが、このような視点で直近3年の桜修館作文を見ると、「 わびさび 」 「 もののあはれ 」で解釈できるものが多くあります。

平成29年の徒然草・方丈記では、妙観が切れにくい刀をあえて使い続けている描写がありました。

これは、切れ味の良い新品の刀にはない良さを、古い刀の中に見出すという点でわびさびの考え方といえます。

また、平成30年の井上哲次郎において、良い着物を来てしょげている人がいる描写はわびさび、散る花を追ってはならない描写はもののあはれに関連するといえます。

さらに、平成31年の和辻哲郎は、そもそも彼自身が、もののあはれの研究者でもあります。

このように、少しずつ関連がみられますので、そろそろ「 わびさび 」 「 もののあはれ 」自体が出題されるのではないか、

と、桜修館セミナーは予想します。

参考になりそうなら、予想問題を解いてみてください。

さぁ、しっかり対策を行い、
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